Japan GX Group
第1回 日本カーボンクレジット取引所開発ストーリー

社員インタビュー

2025.12.17

第1回 日本カーボンクレジット取引所開発ストーリー

DX事業本部

エンジニア

開発チーム
# エンジニア# 開発秘話# カーボンクレジット

日本GXグループ株式会社の代表プロダクトである日本カーボンクレジット取引所。外注に頼らず、ビジネス設計、要件定義、開発、運営を一気通貫でやり切ってしまうチーム力に唯一無二性を感じていただけると嬉しいです。 開発にあたった、エンジニアメンバーに裏話を聞いてみましょう。

SEKI(CTO)

元アクセンチュア マネージャー。クラウド最適化とサステナブルアーキテクチャのプロフェッショナル。

MARK(社員1号エンジニア)

モバイルUX・アプリ統括。ユーザー体験を第一に考えるフロントエンドスペシャリスト。

TAKA(社員7号エンジニア)

API・データベース設計担当。複雑な業務ロジックを堅牢なシステムに落とし込む。

NOME(共同CEO)

新規事業開発・アカデミア。GXとDXの融合を推進するPMO。

金融免許も取引所開発経験もない。
それでも「日本初のカーボンクレジット取引所をつくる」と決めた。

NOME:

2023年に創業してすぐに取引所の開発に集中投資して、同年に法人向けWEB取引所をローンチしたわけだけど、その裏では日本で初めて日本の法定通貨Jクレジットを個人でも売買できる仕組みの開発を進めてきたね。晴れて、2025年1月に個人向けモバイルアプリ取引所をIOS/androidともにローンチできたけど、良くも悪くも現場ではいろんなことが起きていたな〜と。今年から大手企業様から請負で大規模システム開発やPMOを依頼されることが多くなってきたけど、自社開発を乗り切った経験や学びはお客様に価値を出すときに活きてるよね。改めてエンジニアのみんなに話を聞いてみたいな〜と思って対談の場をセッティングさせてもらいました!

対談がスタートして、さっそくエンジニアMARKがニヤニヤしながら差し出した一枚の画像が全てを物語っていた。

MTGの様子

開発序盤、最も時間を奪ったのが決済インフラだった。
金融法務、本人認証、UX、会計──全ての整合性を1つの取引フローに落す必要があった。

NOME:

うん、たいへん。爆発してる🔥 クレジットカード決済を取引所に組み込むのはなかなか試練だったよね。

MARK:

いや〜、本当に“爆発”してましたね(笑)。16ヶ月のロードマップを最初に引いたんですが、 マイルストーンごとに要件定義・設計・開発・テストを4層で切って進めてたんです。 でも、3ヶ月目で決済の具体方法を組み込む時に、スケジュールは完全に崩れました。 要件定義が後倒しになって、設計と開発が同時進行。フロントとバックエンドが並列に動いて、気づけばインフラまでが一緒に更新されてました。 想定外だったのは、法的には大丈夫だったんですけど、クレジットカード会社に「板取引型のカーボンクレジット取引所にクレジットカード活用の前例がないので契約できかねます」と断られたことでした😭

開発風景

SEKI:

証券のように入出金を扱うとなると金融免許が必要になる。銀行振込は人的ミスが多いし、口座引き落としは運用負荷が高い。唯一現実的だったのがクレジットカード決済。 与信枠を確保して取引を成立させられる。今回の壁は「日本初」だったね。 Jクレジットは金融商品ではないものの、開発段階で金融商品と同じような挙動をとっていることが確認できたので、開発は通常の基幹システム開発よりも難易度が高いことは想定済みだったけど、よくリカバリーしたね👌

NOME:

カーボンクレジット会社さんからしたら当時カーボンクレジットの知見があるわけでもないから、そりゃ心配になるし、危ない橋は渡らないよね。「断られてからがプロの仕事の始まり」ってのを体現してくれたと思っていて、カーボンクレジットや金融の法的解釈や実情、海外事例を徹底的に調べながら、一方でノックアウト条件になりかねないクレジットカード会社の制約条件に合わせて取引所システムの要件定義を微修正し、先方と交渉をし続けたのはGX-DXの融合PMOとして最高のパフォーマンスだったと思います!!

MARK:

ありがとうございます☺️ クレジットカード会社だけでなく、決済代行会社にも問い合わせ、審査項目をすべて洗い出して、変更可能な部分はすぐ修正、不可の部分は交渉根拠を積み上げる。本来なら事業開発担当とエンジニアが分かれる工程を、並行してやってました。なんでエンジニアなのにビジネス要件すらやってるんだろう?ってその時は不思議でしたが、その両軸の経験がエンジニアの次のキャリアステップのPMOに繋がっていることを後から知って驚きました。

TAKA:

事業開発で優秀な人がいたとしても、システムの要件定義のことを知らなかったり、自分で開発微修正ができないと、少なくてもこの日本カーボンクレジット取引所は期限内にローンチできなかっただろうね。自分も最初は事業開発側のことはよく分からなかったけど、CTOのSEKIさんとかがフォローしてくれたおかけで、「予期せぬ炎上はしてるけど、あ、最後帳尻合うから安心して大丈夫だな〜😁」っていう感じで心穏やかにいられました。

議論の様子

「脱炭素にはDXが効く」を体現する

NOME:

元々、Jクレジットは相対取引といって、欲しい人は買いたい人を国管理の帳簿から見つけて直接問い合わせをして価格交渉をして契約書をまくっていう超アナログだったんだよね。たかだか直近2022年の話だよ。これをボクたちはDX化したわけだけど、GX業界は黎明期で特殊な分、一筋縄ではいかない。これは取引所に限らず、いろんな大手企業の基幹システムや、環境省が提言するデコ活の脱炭素行動変容アプリづくりとかでも同じことが言えるんだよね。みんなのGXとDXを掛け合わせたシステム開発工程経験があったからこそ、日本GXグループのスローガン「脱炭素にはDXが効く」を当事者として生々しく語れるようになりました! 日本カーボンクレジット取引所の開発を通じて会社のコアバリューを見つけられた。本当にありがとう!

SEKI:

「脱炭素の現場で、泥臭くデータを掘り、コードを書き、社会を再設計する」っていうフレーズ、日本GXグループらしいね☺️ DXとGXを両方扱えるPMO人材ってトップ戦略コンサルファームですら希少で、しかもシステム開発も一気通貫で担える、なんなら脱炭素の出口としてのカーボンクレジットも扱えるっていうのは唯一無二だね!! 自社開発運営の日本カーボンクレジット取引所を持ちつつ、日本GXグループとしては完全子会社の日本GX総合研究所と「GX-DX合同PMO」として大手上場企業様の脱炭素プロジェクトとか、大規模システム開発改修案件にスタートアップながらアサインしてもらえてるのはこの経験があってこそだな〜。

ホワイトボードでの議論

NOME:

最近は大手戦略コンサルファーム様のサブコンとして日本GXグループが入って大規模予算案件とか国家案件とかにも入れているのも面白いね!ここのPMO(プロジェクトマネジメントオフィサー)の人材教育にはめちゃくちゃ力を入れていくよ。大学に専用の研究室や社会実装を通じたPBL授業をGX-DX掛け合わせてどんどん展開していこうと思う!ボクたちにしかできないことだからこそ、この兆しを次世代リーダーに繋いでいかないとね。

GXを掲げるチームにとって、開発環境そのものがGXの舞台であることは必然だった。
CTOはクラウドの最適化でサステナブル・アーキテクチャを構築した。

NOME:

実はシステムを運営するにもCO2は排出されているって意外とみなさんご存知ないようで。

SEKI:

うん、システムのアーキテクチャが適当だとエラーとかバグが起こりやすいだけでなく、電力も食っちゃうんだよね。これからいろんな大手企業の基幹システムでも問題になってくると思ってて、まずは自社プロダクトの日本カーボンクレジット取引所をグリーンIT全開で設計してみた。これをみてほしい!AWSを活用するのはみなさん結構やると思うんだけど・・・😏

アーキテクチャ図

SEKI:

再エネ利用率を限りなく高め、電力利用における発電に際したCO2排出量を最小化、 ECS Fargate/Lambdaを始めとしたサーバレスサービスの積極採用。アイドル時間を抑え、リソースと電力消費を必要な分だけに極小化したアーキテクチャを構成!!堅牢度が求められる箇所とそうでない箇所の分類を徹底し、適材適所のセキュリティ対策を施すことで、リモート開発・保守も実現!ヒトの移動を抑えることでCO2排出量を抑制、サービス運用におけるCO2排出量0MT-CO2を維持させることに成功🔥

TAKA:

変態的にすごいです😱 グリーンITのショールームですね。

MARK:

CTOとして頼もしい限りで。。。

グリーンIT

NOME:

エネルギーマネジメントシステムとか、脱炭素専攻地域の公的システム開発とか、そりゃ依頼がたくさん来るわけだ。(笑) 日本GXグループだからこそできる案件をどんどんお客様とつくり上げながら、もっともっと経験を貯めていきましょう👍

Japan GX Groupでは、共に挑戦する仲間を募集しています。